後鼻漏に関して、患者さんからよくあるご質問を紹介

後鼻漏のよくあるご質問

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後鼻漏のよくあるご質問

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A1:通常、鼻水は自然とノドに流れていきますが、なんらかの原因で鼻水の量、質に病的な変化が生じると、鼻水がノド(特に上咽頭)を通る際に、ノドの異常(違和感、不快感、異物感など)を感じることがあります。

このようなノドに異常をもたらす"異常な鼻水"のことを後鼻漏と言います。

A2鼻粘膜の炎症によって異常に作られた分泌物が後鼻漏の正体と考えると、あらゆる鼻の炎症は、悪化することで後鼻漏につながる可能性があると考えられます。

A3:後鼻漏の診断は、鼻内の局所所見と、最も決定的な情報が得られる副鼻腔の画像検査を行います。後鼻漏の疑いを感じた際は、お近くの耳鼻咽喉科で早期診断・治療を行ってみてください。

また、より正確に診断するために通常の鼻鏡検査より鼻咽腔ファイバースコープ検査の方が望ましく、通常のレントゲン撮影よりCT撮影の方がより正確な情報から診断することができます。

A4:後鼻漏の原因疾患には以下のものが考えられます。

感染性疾患:鼻カゼ、急性・慢性鼻副鼻腔炎、真菌性・乾酪性副鼻腔炎など
アレルギー性疾患:通年性アレルギー性鼻炎(ダニや埃などが原因)、花粉症(スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサなどが原因)、好酸球性副鼻腔炎(もっとも難治)など。
変性性疾患:鼻副鼻腔術後の変化、感冒後の変化、慢性鼻副鼻腔炎からの移行、加齢の変化などによるもの。血管運動性鼻炎、鼻副鼻腔の腫瘍性病変など

A5:どちらもノドに違和感が生じますが、その原因となる鼻水の性質に異常であるか否かの違いがあります。

後鼻漏感の場合、後鼻漏のようにノドに鼻水が降りたり、へばり付いたりするような違和感があるのですが、後鼻漏の実体は存在していません。

医学的に通常の後鼻漏は「真性後鼻漏」または「鼻性後鼻漏」と言います。それに対して後鼻漏感は「仮性後鼻漏」または「鼻外性後鼻漏」と呼ばれます。

A6:後鼻漏感の原因は、異常な分泌物が鼻副鼻腔以外から発生し、後鼻漏のような症状をもたらすことが原因です。上咽頭炎などがその原因として考えられます。
その他、胃食道逆流症、嚥下障害、咽喉頭神経症なども原因として挙げられます。

A7:後鼻漏感の原因は鼻副鼻腔の疾患ではありませんので、鼻副鼻腔以外の領域で様々な関連疾患を調べる必要があります。

ただし、後鼻漏感の発生と関わり得る疾患はあまりにも多種にわたりますので、莫大な時間と労力がかかりかねません。

A8:後鼻漏感の原因疾患は以下のものがあります。
・上咽頭炎/咽頭扁桃炎
・胃食道逆流症/咽喉頭酸逆流症
・口腔乾燥症
・アトピー疾患(咳喘息、アトピー咳嗽、喉頭アレルギーなど)
・嚥下障害(脳疾患、サルコペニアなど)
・生活習慣病(糖尿病、肥満、睡眠障害など)
・咽喉頭の腫瘍性病変など。

A9:上咽頭が原因の症状は後鼻漏ではなく、後鼻漏感です。
後鼻漏ではないとは言え、上咽頭炎による「仮性」のものか、副鼻腔炎による「真性」のものかを診断することは、治療計画を考えるにあたってはとても重要です。

A10:アレルギー性鼻炎は、一般的な鼻炎の症状に加え、以下のような特徴があります。

・アレルギー反応による炎症
・発作的、かつ反復的に起きる
・感染性炎症ではないために、鼻水に色が付いたり、膿んだりはしない
・症状は、必ず両側性がある

この条件が揃った上で、鼻水が上咽頭の方へ流れ出すと、アレルギー性後鼻漏の発症と考えてよいでしょう。
初期のアレルギー性後鼻漏の特徴は、大量に増えた鼻水は、サラサラの水様性鼻漏です。多くの場合は、鼻の外、鼻の後ろにも溢れてきます。

A11:鼻炎の重症度を問わずアレルゲンの曝露を避けることが、「アレルギー性後鼻漏」に対する最も重要かつ有効な対策です。さらに薬物治療を組み合わせることにより、一層効果的に症状を軽減することができます。

治療薬は、主として経口薬と局所噴霧・点鼻薬の2種類があり、それぞれには、さらに抗ヒスタミン系、ケミカルメディエーター遊離抑制剤、ステロイド系、抗ロイコチリエン系(経口薬のみ)、抗トロンボキサン薬(経口薬のみ)、サイトカイン阻害薬(経口薬のみ)、交感神経刺激薬(局所噴霧・点鼻薬のみ)などの種類があります。

薬の選択や飲み合わせ、使用するタイミングなどは、鼻炎の程度や症状の出方、薬の副作用(とくに抗ヒスタミン経口薬による眠気)、薬と体質の相性(薬効の現れ)などによりますので、耳鼻科専門医の指導が必要です。一般的には抗ヒスタミン経口薬とステロイド点鼻薬が、最も効果的な治療薬と考えられます。

効果以外に、薬の安全性、副作用およびコストパフォーマンスなども考え合わせますと、通常ステロイド点鼻薬(鼻内噴霧薬)が、アレルギー性鼻炎(「アレルギー性後鼻漏」)の第一選択薬としての利用価値が非常に高いと思われます。

ちなみに、ステロイド点鼻薬が鼻腔内粘膜に作用してから鼻炎症状が軽減し始めるまでの時間は、約12時間以内という傾向が見られます。そして、その薬効が最大に発現するには、およそ2週間の継続投与が必要とされます。

そのため単発的に使ったり、また思うように鼻漏/後鼻漏の改善効果が得られないからと、数日使用してすぐ止めたりしないように心掛けることが大切です。

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